アイリーン・グレイ（Eileen Gray）ブランドの歴史

1878年にアイルランドの芸術家の家に生まれたアイリーン・グレイ（Eileen Gray）は、ロンドンとパリで絵画や芸術を学んだ後、1905年より漆工芸に打ち込みます。1913年には装飾芸術協会展に作品を招待出品しているので、そのころにはある程度の名声を得ていた様子です。

1919年にグレイはパリのアパルトマンを手掛け、トータルでのインテリアデザインの先駆けとなりました。1922年ごろにはデザイン事務所をパリに開設したり、後の作品を思わせるスチールパイプ製の家具製作に取り組んだりしていますが、彼女の興味は建築へと向かいます。

1927年からおこなったのは、モナコに近い地に建つ自身の別荘「E1027」の設計です。恋人の建築家、ジャン・バドヴィッチ（Jean Badovici）の協力を得て建てられた別荘は、訪れたル・コルビュジエが称賛して壁画を残しているほど。邸内には、別荘と同じ名前を持つサイド・テーブルやビベンダム・チェアなど、グレイの代表作とされる家具が設置されました。ちなみにE1027は、グレイとバドヴィッチのイニシャルから命名されています。

1930年からはバドヴィッチのためにワンルーム・アパルトや、自身の第2の別荘である「カステラールの家」の設計を手掛けたほか、1937年のパリ万国博覧会ではル・コルビュジエらと仕事をしています。アイリーン・グレイは当時まだ珍しかった女性建築家・デザイナーとして活躍したが、1950年代には視力の低下により引退を余儀なくされ、1976年にこの世を去りました。

亡くなる前のグレイは自身に関する資料のほとんどを処分しており、彼女の人生の多くは解明されていませんが、彼女の影響力は大きなものです。2009年にはグレイが手掛けたオリジナルの「ドラゴン・チェア」が1,950万ドルで落札されていますし、2014年にはグレイとル・コルビュジエの関係を題材にした映画が公開されて話題になりました。

その他人気シリーズ一覧

• ビベンダム（Bibendum）
• ロタ（Lota）
• モンテ・カルロ（Monte Carlo）
• ボナパルト（Bonaparte）
• アイシア（Aixia）
• ロクエブリューン（Roquebrune）
• ノンコンフォート（Non-Confort）
• デイ・ベッド（Day Bed）
• フォールディングテーブル・ジーン（Forlding Table Jean）
• アジャスタブル・テーブル・E1027（Adjustable Table E1027）
• オケージョナル・ラウンド・テーブル（Occasional Round Table）
• オケージョナル・スクエア・テーブル（Occasional Square Table）
• フォールディング・スクリーン（Folding Screen）
• チューブ・ライト（Tube Light）