東京・南青山にあるインテリアショップ・ＡＩＤＥＣ（アイデック）のコンセプトは、『椅子の美術館』。国内外を問わず、あらゆるブランドの名作チェアのみをラインナップした店内では、実に１００脚もの椅子を体験できるようになっています。 　ひと口に「チェア」と言っても、世界には様々な名作コレクションがあります。古くはバウハウスの流れを汲む機能美を兼ね備えたものから、最新のモダンデザインに至るまで、個性溢れる魅力が一堂に集結する場所・・・。それこそがインテリアショップ・ＡＩＤＥＣ（アイデック）なのです。本ショップに取り揃えられているブランドは、ドイツの老舗・ＴＨＯＮＥＴ（トーネット）社やＣＯＲ（コア）社、オーストリアのＶＩＥＮＮＡ（ヴィエナ）社といったハイエンドなヨーロッパ輸入家具の他、同社のオリジナルブランドとなるＡＩＤＥＣ　ＭＯＤＥＲＮ（アイデックモダン）といった面々。 とりわけ、前者に挙げた海外ブランドについては、ヨーロッパのデザイン史において数多くの功績を残してきたメーカーばかり。曲木の技術に定評のあるＴＨＯＮＥＴ（トーネット）社を始め、現代においても高く評価されるクラシカルスタイルは大変魅力的です。ちなみに、日本でＴＨＯＮＥＴ（トーネット）社製品を購入できるのは、ここだけなんだとか。 また、日本国内のデザイナーらとの協働によって生まれたＡＩＤＥＣ　ＭＯＤＥＲＮ（アイデックモダン）は、デザイン性と機能性の両面に優れた普遍美を感じさせてくれるコレクションが秀逸です。深澤直人ら日本デザイン界を担う多くの著名デザイナーの尽力により、“チェアデザインに新たな可能性が開かれた”と言っても過言ではないでしょう。特に有名なのが、特徴あるスクエアシルエットがおしゃれな「ＫＡＫＵ（カク）」や、座面と脚とのコントラストが美しい「ＫＯＬＡ（コラ）」。これらは、アップル社のプロダクトデザイナー・西堀晋デザインとして知られています。現在、東京・南青山を拠点に、ＡＩＤＥＣ（アイデック）は東京、名古屋、大阪、福岡の全国４ヵ所にショールームを構え、美しいチェアコレクションを展示しています。 　これほどまでにあらゆるチェアの美しさに触れ、多彩な魅力を感じることの出来るショップというのは、日本においては唯一ＡＩＤＥＣ（アイデック）くらいなのではないでしょうか？バウハウスからモダンまで、時代を超えたラインナップが織り成す空間は、一見するとどこか統一性に欠けるような雰囲気であります。しかしながら一方で、その絶妙なコントラストこそが独特な空気感を演出していることにも気付かされるのです。